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残業代請求用語集 【みなし労働時間制】
「みなし労働時間」ってわかりづらい!
営業マンに多いみなし労働時間制
- 友人にカーディーラーの営業マンがいるんですが、この間、「うちの会社は、みなし労働時間の号令の下に、働く時間が長くて困る」とボヤいていたんですが、「みなし労働時間」ってなんですか?
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みなし労働時間とは、主に会社の外で働く人の労働時間を所定の労働時間働いたものと“みなす”ことを言います。
つまり、みなし労働時間制が適用されるのは、労働時間を会社側が管理することが困難な業務に就く労働者と言えます。社外で働く労働者とは、あなたの友人の営業マンや、記者なども挙げられます。
「事業場外労働」と「裁量労働」
- みなし労働時間制を導入している仕事について、もう少し詳しく教えてください。
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みなし労働時間制には、大きく分けてふたつの労働形態があります。「事業場外労働」と「裁量労働」のふたつです。
それぞれについて詳しく見てみると、まず「事業場外労働」とは、労働時間の全部または一部について事業場外、つまり社外で仕事をするため、労働時間の算定が困難な場合に適用されます。
具体的には営業マンなどがこれに該当しますよね。ただし、社外にいたとしても、使用者の指揮監督ができる状態で、労働時間の算定が可能な場合には、みなし労働時間制は適用されません。
具体的には、携帯電話などで常に使用者の指示を受けられる状態で労働をする場合や、訪問先と帰社の時刻など業務の具体的な指示を受け、その指示に従って労働し会社に戻る場合にも適用除外となります。
労働の質と成果が問われる「裁量労働制」
- 裁量労働制というのも、よく聞きますがどんな働き方なんですか?
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裁量労働は、さらに「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」に分けられます。これらの労働制度においては、適用する労働者に業務遂行の裁量が委ねられているため、やはり労働時間の算定が困難なためみなし労働時間制が適用されます。
なお、みなし労働時間制における残業も労働基準法の適用範囲となります。ただし、みなし労働制の場合、労働時間は働いたと「みなした」時間に含まれます。実際にみなし労働時間を超えて労働した場合には、残業代は支払われなければなりません。