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残業代請求用語集 【裁量労働制】
多くの職場で採用される裁量労働制
質と成果が問われる労働形態
- 裁量労働制って、裁量に任せられる感じがしてカッコイイですが、どんな仕事の仕方のことを言うんですか?
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「裁量労働制」とは、労働時間と成果が必ずしも一致しない一定の職種について、業務の進め方や働く時間を労働者の裁量にゆだねる労働制度です。つまり、働いた時間に関わらず、労働の質や成果に応じて労働賃金が支払われる働き方ということです。
ただし、どんな仕事にも裁量労働制が適用されるわけではなく、制度の導入にはそれなりの手続きや要件があり、それらを満たしていない場合、裁量労働制は無効となります。
裁量労働制はクリエイティブ系?
- では、どんな仕事で適用されるんでしょう?
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裁量労働制が適用される職種は、「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」の大きくふたつに分かれています。
まず、「専門業務型裁量労働制」の対象となる職種から見てみます。
- ・新商品もしくは新技術の研究開発、または人文科学・自然科学に関する研究業務
- ・情報処理システムの分析または設計の業務
- ・新聞・出版事業における記事の取材、もしくは編集業務、または放送番組制作のための取材もしくは編集作業
- ・衣服、室内装飾、工業製品、広告等のデザイン考案業務
- ・放送番組、映画などの制作事業におけるプロデューサーまたはディレクター業務
- ・その他、コピーライター、システムコンサルタント、インテリアコーディネーター、ゲームクリエイター、証券アナリスト、金融商品の開発業務、大学教授の研究業務、公認会計士、弁護士、建築士(一級建築士、二級建築士および木造建築士)、不動産鑑定士、弁理士、税理士、中小企業診断士
「企画」「立案」「調査・分析」の仕事が対象
- もうひとつの企画業務型裁量労働制には、どんな仕事がありますか?
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「企画業務型裁量労働制」の場合には、対象業務が存在する事業場であることが重要となってきます。まず、対象業務とは事業運営に関する企画、立案、調査および分析の業務が対象となります。こうした業務が行われる事業場とは本社・本店、もしくは事業運営に大きな影響を及ぼす決定が行われる事業場であること、もうひとつは本社や本店の指示を受けることなく独自にその事業場に関わる事業運営に大きな影響を及ぼす事業計画や営業計画の決定を行っている支社・支店等の事業場となります。
また、「企画業務型裁量労働制」を導入する際には、いくつかの要件があります。労使委員会の設置し、労使委員会で導入の決議し、さらに労働基準監督署に届け出をするなどの手続きをする必要があります。