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残業代請求用語集 【最低賃金制度(最低賃金法)】
知っておくべき「最低賃金」と「残業代」の意外な関係
地域によって違う最低賃金
- 最低賃金制度とは、どのような制度のことを言うのですか?
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最低賃金制度とは、最低賃金法という法律をもとに低い賃金で働く人の労働条件を改善して、生活の安定などを図るために定められた賃金の最低額を保障する制度のことを言います。
最低賃金は1時間の労働時間、つまり時給ごとに定められ、会社側は最低賃金以上の賃金を支払わなければいけません。
また、最低賃金は産業や職種に関係なく、地域によってその額が変わってきます。というのも、地域によって経済規模や生活にかかる物価価値などに違いがあるからです。そのため、最低賃金は各都道府県にひとつずつ定められています。ちなみに最低賃金額が高い水準の東京都と、低い水準の東北の一部や山陰、九州、沖縄を比較してみると、その差は約200円前後にもなります。
最低賃金はこうして決められる
- 地域によっても違う最低賃金は、誰が定めているんですか?
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地域によっても大きな開きのある最低賃金は、厚生労働省に設置された中央最低賃金審議会という機関が、各都道府県の労働局に置かれた地方最低賃金審議会に対して、「労働者が健康的で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう」な最低賃金を毎年提示します。
その額を参考にして、各地方最低賃金審議会が、労働者の生計費、賃金、その事業の賃金支払い能力などを総合的に判断し、審議を進めて、都道府県労働局長が最低賃金を決定します。
最低賃金と残業代の関係性
- 最低賃金を下回った分しか賃金をもらっていないということはありますか?
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はい、そういう場合もあります。未払い残業代がいくらになるか計算をしていて、賃金を労働時間で割ってみたらその額が最低賃金に満たない時給だったと判明することがあります。
その場合、使用者は当然のことながら支払っていなかった、最低賃金と実際の賃金の差額を支払わなければいけません。違反をすれば、使用者は50万円以下の罰金に処されます。