法律上、原則1日8時間を超える労働(残業)に対して、
会社側は、従業員に割増残業代を支払わなくてはなりません。
しかし、実際は、
割増残業代をもらえることすら知らない労働者の方々もたくさんいらっしゃいます。
なので、まず労働者の方々は,残業代を請求できるという事実を知る必要があります。
当方としても、少しでも多くの労働者の方々がその事実を知ることができるように、
このようなホームページを作成し、情報を提供しているのです。
さて、ご自分に残業代を請求する権利があるんだと知った労働者の方々は、
どのように会社に対して、残業代を請求していくのでしょうか。
まずは、ご自分で会社に対して請求するという方法があるでしょう。
口頭または書面で、上司の方あるいは役員の方に対して請求することになります。
この方法によれば、もちろん費用はかかりません。
しかし、正確な残業代の計算も困難でしょうし、
会社としても、難くせをつけて支払いを拒絶する場合が多いでしょう。
費用がかからないという意味では、
労働基準監督署(労基)に相談にいくのも一つの手段でしょう。
去年、日本テレビ系で放送されたドラマ「ダンダリン」の舞台にもなり、
注目を集めている労働基準監督署ですが、
会社に対して、調査、是正勧告等をしてくれることがあり、
実際にそれにより残業代が支払われるケースもあります。
ただ、実際は、ドラマのようにはうまくいかないことも多く、
その支払われる残業代の金額が少なかったり、
全く支払われないケースも多々あります。
また、残業代の未払いは、
労働基準法上、
刑事罰(6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金)も規定されているので、
雇用主が懲役、罰金に処せられる可能性もあります。
そこで、警察または検察に告訴(告発)するという手段が考えられます。
もちろんこれにより警察、検察が動いてくれれば、
会社に対しては最強のプレッシャーとなり、
未払いの残業が支払われる可能性は高いでしょう。
しかし、実際に警察、検察が動くことは稀で、
雇用主を逮捕勾留し、刑事罰に処せられる可能性も低いでしょう。
そこで、弁護士に依頼するという手段が候補として挙がってきます。
もちろん、それなりに費用はかかりますが、
ご自分で請求されるよりも高い確率で、残業代の回収が可能になります。
まずは、弁護士に依頼することで、
正確な残業代の計算が可能になり、
また、タイムカード等の適切な証拠の確保が可能となります。
さらに、弁護士の名前で請求することで、相手方へのプレッシャーにもなりますし、
相手方の法律的な弱みをついた交渉が可能となります。
また、弁護士は、労基や警察と連携することも可能であり、
それにより効率的に会社から残業代を回収することが可能となります。
もちろん最初は費用がかからないようにご自分で請求されて、
ダメだったら弁護士に依頼するというのも一つの手段です。
ただ、残業代は2年間で時効により消滅してしまうので、
その点も注意されて、お早めにご相談されることをお勧めします。
幣事務所にも、実際にご自分で請求されたがダメだった方、
労基に申告、または警察に相談したが動いてもらえなかった方がご相談にみえて、
結果、当方から請求することで回収に成功されたお客様も多々いらっしゃいます。
ですので、
今後ご自分で請求されるのか、当方が代理して請求するのか等の方針も含めて、
まずは、当方にご相談いただき、
早期かつ適切な残業代の回収を実現していただきたいと考えております。
伊倉総合法律事務所
弁護士 伊倉 吉宣